こんにちは木工定食です
朝顔日記 宿屋の段
先日梅雨前に障子紙の張り替えをやらせていただいたのですが
少し貴重な経験をさせていただいたので紹介します
一部4本引き違いの箇所を和紙で張り分けしてあったのですが
今回の張り替えは張り分けながら少し雰囲気の違った材料で選びたいとの要望でした
見本帳をお客さんと眺めながら決めたのがこちらの材料です↓
材料自体は襖紙を張る時に使う下紙で太字で文字が書いてあります
内容というより感覚でこれ面白いねって感じで決定しました
文章の内容は後から調べたら浄瑠璃に出てくる物語で
『朝顔日記 宿屋の段』というそうです
あらすじは昔の恋愛小説のようです
自分は右上の題名の所の朝顔日記の文字しか読めませんが、、、
人文学とか見識のある方は読めるんでしょうね
で張り上がったのがこちらです↓
襖の下張りの材料なので結構薄いです
一度茶色い下張り紙を貼って乾いてから背面に障子紙を貼りました
なので茶色い下張り紙の部分は二重に紙が貼られている状態になります
裏から見ると普通の障子のように見えます
張り分けのデザインは少し他のパターンも検討してみましたが
既存と同じ感じが一番しっくりきたので同じ箇所で張り分けてます
障子の張り替えでは今回のような張り分けは初めてやりました
実際収めてみると部屋の雰囲気にとても合っていて工場で見ているより良かったです
施主さんのセンスが現れる張り替えになりました
今回使用したのは無地の下紙に印字された物で文字系では他に数種類あります
施主さんとの話の中で江時代とか昔は下張りの材料は
使い終わった帳簿を再利用したりしていたみたいね、なんて話を聞きました
やはり江戸時代はものすごいSDGsだったみたいです
襖に限らず骨董品の世界ではこうした古紙を集めている収集家の方がいたり
古紙の文章を解読して時代背景を考察する事もあるようですね
伊豆の国市 建具屋 山口木工所でした