2024年9月20日金曜日

建具で室内を模様替え

こんにちは木工定食です
今回は建具の造り替えについてご紹介です

建具で室内を模様替え


建具ってそもそも造り替える物なのか?
と思うかもしれませんが
個人の方、建設会社さんからの依頼に関わらず案外いらっしゃいます

リフォーム時に造り替えるだけに限らず
建具だけをデザインを変えて造り替える場合もあります
この場合は室内の模様替え、あるいは用途を変えたい等理由は様々ですが、、、

建具って壁の様な位置で目に見えるので
意外に空間の印象をガラッと変える事のできる要素を持っています
カーテンを替えるよう様な感覚で建具を造り替えるのも選択肢の1つだと思います

今回はイメージチェンジだけでなくプライバシーも考慮してのご相談をいただき
提案させていただきました

初めの要望はいわゆる障子紙を必要としない建具だったのですが
彩光と住宅周囲の視線を考えてネコマ障子(通称:雪見障子とも言います)
の形式で提案させていただく事になりました





といっても障子紙は破れるので避けたいという事と
今後床を畳からフローリングに張り替える事を念頭に
 ザ・和室 の障子は避けたいという2点を考慮して考えました

まず障子紙の破れに関してはワーロンシートを見ていただいたら気に入っていただけました
色も色々ある事も気に入っていただけた部分です

次に ザ・和室 の障子を克服する部分ですが
見た目は障子紙の様なワーロンを使いながら和っぽくない障子を考えなければなりません
まず障子の印象を構成している要素として
繊細で軽いイメージが関係してると思います
この要素に触れない様に各所考えてみました



各部材の寸法を少し太めにしました
といっても組子の桟はあまり太くすると野暮ったくなるので6ミリで考えます
6ミリでも2本ずつ入れる事で全体の印象は重厚になります
縦横2本ずつ入れる事で小さな四角の枡が生まれます
この小さな四角が離れて観るとドット柄に見えてきます
普通の障子も四角の構成ですが
ドットで入れる事で一気に絵柄感が出てきます

この辺は施主さんとフローリングの床になる事を想像しながら決めていきました



障子をあげた部分に透明のガラスが入ります
今回はガラスが入る事と組子が標準より多いい事で建具の自重が重くなるので
全ヶ所フラッター戸車の仕様で製作、施工させていただきました
取り付け後はちょうど良い使用感で仕上がりました

今回はかなり手の込んだ造りになっていますが
標準的な形に少し理想を加えるだけでも印象が変わります
お気軽にご相談ください

伊豆の国市 建具屋 山口木工所でした

2024年9月19日木曜日

久々家具のリメイク

暑さ寒さも彼岸までを信じたい今日この頃です
こんにちは木工定食です

久しぶりの家具のお直しをさせていただきました
昔の文机(フミツクエ、ブクエと読むそうです)とスツールです
どちらも表面の感じなどは状態がいいものでした

毎回見積もり前には施主さんと修理内容について打ち合わせします
残したい部分や雰囲気によって毎回内容は少し異なります
今回は全体の雰囲気として自然な感じを求めていたので
オイル仕上げのご要望で行いました
スツールの方は秋田木工という家具メーカーが製造しているスツールで
現在でも同じ形で製造しているという話を施主さんから教えていただきました
座面の生地がレトロで良い感じです

こちらのスツールは木部の塗装を剥がして白木にしオイルを塗ります
曲げ木の部分や機械が入らないところは手で削っていきます
木肌が出たところでペーパーの番手を上げていき仕上げていき
オイルで仕上げナチュラルな感じに仕上がりました


続いて文机です
全体的に状態はいいものでした
結構虫に食われていたりする事があるのですが
大きな破損部分はほとんどありませんでした

天板をペンキで塗り潰した感じです
この天板を削るのはもちろんですが、下の部分を同じく全て削っていくか
今のままを残して天板の雰囲気を合わせるかで2通り提案させていただきました
いつも見積もり金額とやり方を説明させていただいてます
金額も判断基準にしてもらって検討していただいています

という事で今回削るのは天板のみになりました
状態が良かったので自分もこちらのやり方をおすすめさせていただきました

とはいってもホゾの緩みなどがありグラグラするので
脚部分は分解して組み直し、引き出しも多少削ってスムーズに調整する内容です
表面の見た目は既存のままだけどしっかり手は入れてきます

各部バラして接着剤を入れ直して組み直します
元々天板は上から釘で打ちつけて固定した後木栓を施してありましたが
今度は桟木を取り付けて天板の下から固定することにしました
この桟木が反り止めの役目も果たしてくれてます
そんなにある事でも無いですが次回手を入れたい時には
天板の上面を傷つけずに外す事ができます

天板を取り付けた感じです
下から覗き込んでも引き出しがあるので補強で入れた桟木は見えません
天板もペンキで塗ってあったのでどんな木目かわかりませんでしたが
大きな割れ等無い天板で良かったです
この状態で下の部分も組み直しは完了してるので
この後は着色材で色合わせしてオイルを塗って完成です
脚部分の表面は既存のまま生かしたので年数を重ねた感じを活かせました
全て綺麗にする場合もありますが
今回の様に既存を生かして手を入れる事もあり
過去には組み直しだけ行う案件もありました
ご要望に沿って提案させていただいてますのでお気軽にご相談ください

伊豆の国市 建具屋 山口木工所でした

2024年9月13日金曜日

意匠組子の収納

こんにちは木工定食です
気がつけば前回の投稿が7/13でした2ヶ月経過してました
ニュースでは残暑が厳しいとか言いますが夏が終わりませんで良い気がします
蒸し暑い日々が続いてますよね
この間2ヶ月振り返ると強目の台風が二つ襲来しましたが
ここ伊豆の国市は大きな被害は無く済みました

コロナ明けから個人のお客様からの問い合わせも回復し
少しいつもと違う様な番外編的な
新しい提案をさせていただく機会にも恵まれております
そんな新しい提案をさせていただいた中から収納家具のご紹介です

意匠組子の収納


洗面脱衣室に収納を設けたいという相談をいただきました
ご要望は小さな棚的な収納を洗面周りに設けたい
というご相談をいただきました
当初飾り棚的な感じの形で内部に収納を設ける様な話をさせていただいたのですが

洗面脱衣室が現状がスッキリとした洗面周りだったので
自分の中ではどうも違和感がありました
そこで空間のデッドスペースになっている浴室入口の上部に
吊戸棚収納を設ける案をお話ししたところ
いいかもしれないというお返事をいただいたので
一旦持ち帰り吊戸棚の案で一度提案させていただきました


収納という事で扉を付けて内部が見えない様な仕様です
取手もつけないで扉を押すと開く金物で考えてスッキリとしたイメージで提案しましたが
内部の換気の事を考えたいという観点から
扉で収納を完全に塞がないで格子や板をずらして空間を設ける様な
常に換気ができている状態にしたいとの要望をいただきました

その流れで扉の正面を空格子にして内部は多少見えても
格子に目が行く様なデザインになりました
扉の開き方も引戸の形になりベースの提案から
グレードアップした案が出来上がりました


引戸の扉に意匠格子を入れ込んでいます
収納というと一般的には見えない様に仕舞い込むという考えですが
空格子にして作るという発想は面白いなと思いました
まさに施主さんと話していく中で出た提案だと思います


実際取り付けた後もイメージ通りで喜んでいただけました
フラットな扉をつけるより圧迫感もなく格子に目が行くので
内部にあまり意識がいかないデザインになりました


こちらのお宅は天井高が一般の住宅より高かったので
浴室入口の上に取付けても高さ40cm程確保できたのも幸いだったと思います

建具、家具を取り付けるといっても使う人によって様々な形があるなと改めて考えました
ここのところ溜まっていた案件をちょこちょこ掲載してくので
たまーに見てください


伊豆の国市 建具屋 山口木工所でした